Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme
二
製紙、製茶、養蚕、織物などいうまでもない。非常な進歩を示して来た。殊に殖えたのは馬である。馬産を奨励した結果、どんな農家でも、牛馬を持ち、若草があるところ、仔馬の群が遊んでいた。
「まあ、可愛らしい。……お蕗さま、あんな小さい仔馬が」
旅すがたのふたりは、時折、そんな平和な風物に、杖をとめて見惚れていた。
わけて、江戸むすめのお次には郷土人の生活は元より、畦の野菜の一茎まで、眼に珍しくないものはなかった。
二
どうしてこの両女が、こんな所を旅しているのだろうか。お蕗とお次とが、あたかも姉妹のように、連れ立っているさえ、不審でないことはない。
後では自然分ることであるが、一応その経路を説いておくほうが順序であろう。
又四郎に扶けられて、柳沢家を脱した後、お蕗は、又四郎の最後のことばを伝えるため、魚松のおかみさんを訪れて事情を打明け、藤井家の奥に仕えているお次を、ある手段の下に呼び出した。
お蕗からの言伝をうけるまでもなく、お次はすでに何もかも知っていた。紋太夫の口から聞いているのである。又四郎の決行が失敗に終って、江橋林助とともに空井戸の底に陥ち入ったまま、空しく天を恨んでいるということまで、かえって、お次からお蕗が聞かされたほどであった。