Japanische Klassiker mit Furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme
と、光圀はまた涙した。
(うれしいのです。祖母君でも母上でも、またお父上でもわたくしでも、人間は亡くなっても、消え失せないものだということがわかりましたから)
(それはどういう意味か)
(身近なおひとが死んでから、初めて死というものを、恐いような、あじけないような、いろいろに考えさせられましたが……きょうふと、そんな恐いものでも、あじけないものでもない。死んだ祖母君といえど、まだここにいるということをつきとめました)
(どこにいると思う)
(ここにおります)
自分の胸を手で示した。
(そちにして、めずらしいことをいう)
頼房はそう深くも問わず聞きながしたが、それからの光圀は、まるでちがって来た。
思索的になった。
九ツの時、将軍の家光から光の一字をもらい、十三で右近衛権中将に任じられていたが、その官位人爵もおかしくないほど、どことなくおとなびても来、また人品もそなわって来た。
それから二年、かれが十八歳の時という。
史記の伯夷伝を読んでいるうちに、大きな感動をうけた。
かれは、自分に兄というものがありながら、兄をしのいで、水戸家を継いでいる矛盾と不当な立場に、つよい自責を感じだした。