Japanische Klassiker mit Furigana
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
Lesen Sie 欧洲紀行 (おうしゅうきこう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.107 Zeichen · 241 Bildschirme
六月七日
六月八日
持久戦という自然力の依頼は、ここでは戦法として役に立たぬ。火つけが消防夫を気取っている、と云う極右新聞の新内閣攻撃法は、独得の高等戦術を想像させる。
四百八十一の工場主が負けて来た。このため、労働者一人の賃金は三百から四百フランの増加だ。おまけに休日は増す上に、その日も賃金が貰えるのだ。街の大きな店はたいてい店員の罷業で戸を降ろしている。この日、グランブルヴァルから、シャンゼリゼー一帯を廻ってみたが、喧嘩口論一つもない。遊ぶ者は遊んでおり、散歩するものは散歩している。この静粛な閑日の趣きが徐々としてパリーのレヴォリュションに変っているのだ。
六月七日
円とフランが下り合いの競争をしかけている。この二つの国には、容易ならぬ暴風が、渦巻き起ろうとしているらしい。――今日は雨だ。前の墓場の中に、赤旗が靡いている。道の辻に、銃を組んだ警官隊が守っている。何事かと訊ねると、レオンブルムが会合しているとの事だ。墓場が会場になるのは、葬式ばかりじゃないのだ。
六月八日
新聞は少しずつ出始めた。その代りに、汽車の食堂とチュリーストが休み出す。フランス銀行の頭取が更迭した。