Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうしゅうきこう

欧洲紀行

横光 利一

Lesen Sie 欧洲紀行 (おうしゅうきこう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.107 Zeichen · 241 Bildschirme

Aozora Bunko

三月二十日

われわれは毎日毎日こうして遊んで許りいるけれども、これで船は動いているんだから、まア、われわれは働いているようなものだ。とある重役の船客は云う。

人間は地球にわざわざ生れたのに、それを一廻りもせずに、話せるか、とこう云う船客もある。ところが、突然、アラビヤとはいったい、どこの国だ、と云い出すものもある。誰もこれには何とも云えない。綿布の仕事に従事して世界をごろごろ廻って来た客は、「ああ、もう世界は、ユダヤ人と印度人と支那人とで、廻っていますよ。これには、どこも敵わん。」と投げ出したようなことを云う。誰も彼もノルウェーが良いと云うから行ってみたが、あそこの駐在官の月給を減らしても良い。全く良い所だと云うものもある。トルコへ行ったところがあそこは旅客が自分の金を、自分で使えない。つまり五磅以上は持って出る事が許されぬのだという。

ヨーロッパというからどんなところかと思って行ったら、小さい小さい。あれじゃ東洋が問題になるのは当然だと云うものもいる。長く外国にいる者でヨーロッパ人を頭から馬鹿にしているものもいる。理由は頭が悪いと云うのだ。

三月二十日

晴。