Japanische Klassiker mit Furigana
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
Lesen Sie 欧洲紀行 (おうしゅうきこう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.107 Zeichen · 241 Bildschirme
六月廿四日
六月廿五日
六月廿四日
夕月がダニューブ河の上にかかる。河岸でジプシイの一団が、ハンガリアの曠野の唄を弾く。一望千里の哀感胸に迫る。ダニューブ河の漣は、あれはハンガリアをとったウインの喜びだ。しかし、ここの漣は、圧制のもとに唸り、遠吠え、あきらめ、沈み、悵怏として悲しむ漣である。
六月廿五日
日本を愛すること、ここの国民のごときはなかろう。ブダペストには、一町四方もあろうかと思われる大カフェーの名前にジャパンというのがある。
感情の豊かなところ、リリシズムの横溢しているところ、ここのごときは、ヨーロッパにその比を見ず。しかも、パリーに負けじと、その市街の壮観、設備の整頓、道路の拡張、街路樹の美しさ、東京など面赤し。
東京市庁に芸術家をもっと入れるが良いと思う。ここの街では、彫刻家の集団に無償で家を与えている。芸術家に金を与えずして文化の向上した国は、かつてどこにもないのである。
外国人が世界を一周して、日本の京都と奈良に来ると、初めてほッと救われた気持ちになると云う。是は先日実験を終ってパリーに帰ったセリグマン氏の話である。
国々の都市を廻っていると、街路樹の少い所からは、すぐ去りたくなるのが私の例だ。