Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こはんていじけん

湖畔亭事件

江戸川 乱歩

Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme

Aozora Bunko

「はっきりは分りませんが、どうも違うらしいのです。これは僕の直覚ですが、この事件には我々の知らない第三者がいるのではないかと思いますよ」

河野は何事かを、薄々感づいている様な口調でした。それを聞くと、妙な悪寒を覚えながら、私もまた彼と同じ感じを抱かないではいられませんでした。この事件には、何人もまだ知らない様な恐しい秘密が伏在しているのではないでしょうか。

「足跡が残っているかも知れませんね」

「駄目ですよ。この二三日天気続きで土が乾いてますし、それに庭から外の方は一杯草が生えてますから、とても見分けられませんよ」

「それでは、今の所、この財布が唯一の手掛りですね。これの所有者さえつきとめればいい訳ですね」

「そうです。夜があけたら、早速皆に聞いて見ましょう。誰か見覚えているかも知れません」

そうして、私達は、殆ど夜を徹して、この激情的な事件について語り合いました。私のはただ、子供が怪談を好むような、恐いもの見たさの好奇心にすぎませんでしたが、河野の方は犯罪事件の探偵に、深い興味を持っているらしく、言葉の端々にも、彼の判断力の異常なる鋭さがほの見えるのでした。