Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こはんていじけん

湖畔亭事件

江戸川 乱歩

Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme

Aozora Bunko

二十二

二十二

私はとうとう殺人事件の渦中に巻き込まれた形でした。眼鏡の装置を取はずすまでは、予定の滞在期間など構わずに早くこのいまわしい場所を逃げ出したいと思っていたのですが、さて、その装置もなくなり、我身の心配が取のぞかれてしまうと、今度は持前の好奇心が勃然として湧き上り、河野と共に、私達だけの材料によって、犯人の捜索をやって見ようという、大それた願いをすら起すのでした。

その頃には、近くの裁判所からかかりの役人達も出張し、浴場のしみが人間の血液に相違ないことも分り、Y町の警察署ではもう大騒ぎを演じていたのですが、捜索の仕事は、その大がかりな割には、一向に進捗せず、河野の知り合いの村の巡査の話を聞いて見ても、素人の私達でさえ歯痒くなるほどでありました。その警察の無力ということが、一つは私をおだてたのです。そして、もう一つは、河野の熱心な探偵ぶりが少からず私の好奇心を刺戟したのは申すまでもありません。

私は部屋へ帰って、今風呂番三造から聞き込んだ事実について色々と考えて見ました。三造が食事から帰った時、浴場の中に何者かがいたことは間違いないらしく思われます。