Japanische Klassiker mit Furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme
十九
考えて見れば、私達は事件の発見者であるばかりでなく、覗き眼鏡の影といい、今夜の出来事といい、又財布という確実な物的証拠まで手に入れて、警察の知らない色々な手がかりを握っている訳でした。そのことが一層私達を興奮させたものです。
「愉快でしょうね。もしわれわれの手で犯人をつきとめることが出来たら」
私は、覗き眼鏡という心配の種がなくなったので、いくらか調子づいた気味で、河野のお株を奪って、こんなこともいって見るのでした。
十九
「じゃ、この財布は僕が預って置きましょう。そして、朝になったら早速番頭や女中に持主の心当たりを尋ねて見ましょう」
そういい残して、河野が彼の部屋へ引取ったのは、もう殆ど夜あけに近い頃でした。私としては、無論一切の探索を河野に任せて、ただその結果を聞けばいいのですから、彼が新しい報告を齎すまで、僅の時間でも寐て置こうと、話に夢中になって、寝衣のままふとんの上に坐っていたのを、元の様に枕について見ましたが、どうして一旦興奮してしまった頭は、睡ろうとすればするほど、冴え返って、その内にあたりは段々明るくなる、階下では女中共の掃除の音が聞え出す、とても寐られたものではありません。