Japanische Klassiker mit Furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme
三
顕微鏡や望遠鏡も自己流に作って、ある程度まで成功しました。小さな鏡の部屋を作って、その中へ蛙や鼠などを入れ、彼等が自分の姿に震えおののく有様を興がったこともあります。
さて、この私の不思議な道楽は、中学を出る頃まで続いていましたが、上の学校に這入ってからは、下宿住いになったり、勉強の方が忙しかったりして、いつの間にかレンズいじりも中絶してしまいました。それが、以前に数倍した魅力を以て復活したのは、学校を卒業して、といって別段勤め口を探さねばならぬ境遇でもなく、何がなしブラブラと遊び暮している時代でありました。
三
ここで、私があるいまわしい病癖を持っていることを白状しなければなりません。といいますのは、少年時代のいじけた性質から考えても、こうなるのが当然だったかも知れませんが、私は、鼻下にはしかつめらしいチビ髯まで貯えたこの私が、はしたない女中風情でも、あえてしないような、他人の秘密を隙見する事に、もうこの上もない快感をおぼえるのでありました。無論こうした性質は、いくらかは誰にでもあるものですが、私のはそれが極端なのです。そして、もっといけないことは、その隙見をする対象が、お話するのもはずかしいような変てこな、いまわしい物ばかりなのです。