Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こはんていじけん

湖畔亭事件

江戸川 乱歩

Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme

Aozora Bunko

こんな商売にも似合わない、まるで堅気の娘さんの様な子でしたわ」

「極った旦那という様なものは」

「まるでこの間の刑事さん見たいね」〆治は大業に笑いながら「それはありましたわ。松村さんていうの。この近くの山持の息子さんで、それや大変なのぼせ様でした。いいえ、その息子さんの方がよ。でね、この頃長吉さんをひかしてやるなんて話しまで持上っていたのですが。それを長吉さんの方では、又ひどく嫌って、どうしてもウンとはいわなかったのですよ」

「そんなことがあったのかい」

「エエ、あの晩にも、長吉さんの殺された晩ね。二階の大一座のお客様の中に、その松村さんがいて、平常はおとなしい人なんですが、お酒が悪くって、皆の前で長吉さんをひどい目に合せたりしたのです」

「ひどい目って」

「そりゃもう、田舎の人は乱暴ですからね。ぶったり叩いたりしましたの」

「まさかその人が」私は常談の様にいいました。「長吉を殺したんではあるまいね」

「まあ、びっくりするじゃありませんか」私のいい様が悪かったのか、〆治はひどくおじた様で、「それは大丈夫ですわ、あたし刑事さんにもいいましたの、松村さんは宴会のおしまいまで、一度も席をはずしたことはなかったのです。