Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
なんでちょっといってくるなんていうわけにいくものですか、だからつねづねわたしにも、お師匠さまの飛走の術をおしえてくださいともうすのに、いっこうおしえてくださらないから、こんな時にはこまってしまいます」
「なぜ口をとがらすか、けっしてむりをいいつけるのではない。それにはちょうどいい道案内をつけてやるから、和子はただ目をつぶってさえいればよい」
「へー、では、だれかわたしを連れていってくれるんですか」
「オオ、いまここへ呼んでやるから見ておれよ」
と果心居士は、露芝の上へでて、手に持ったいちめんの白扇をサッとひらき、要にフッと息をかけて、あなたへ投げると、扇はツイと風に乗って飛ぶよと見るまに、ひらりと一羽の鶴に化してのどかに空へ舞いあがった。
ア――と竹童は目をみはっていると、たちまち、宙天からすさまじい疾風を起してきた黒い大鷲、鶴を目がけてパッと飛びかかる。鶴は白毛を雪のごとく散らして逃げまわり、鷲のするどい爪に追いかけられて、果心居士の手もとへ逃げて下りてきたが、そのとたん、居士がひょいと手をのばすと、すでに、鶴は一本の扇となって手のうちにつかまれ、それを追ってきた大鷲は、居士の膝の前に翼をおさめて、ピッタリおとなしくうずくまっている。