Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
三
「なんだって?」
ぼうぜん――なにを見るのであろう竹童の目。
いっぱいな涙になってしまった。
「さかさまだ! さかさまだ!」
かれはみなをおどろかせて叫びだした。
「おいらを助けるために、あのひとが捕まってゆくなんて、そ、そんな、さかさまごとがあるもんか」
「ですけれど、竹童さん」少女のひとりがなぐさめ顔に、
「わたくしたちも泣きながら、七里の山路を歩いたのです。もうおよばないことですから、このうえ、悲しいことをいわないでくださいまし」
つぎの少女が口をそえた。
「そのかわりに、あなたは体をしっかり癒して、伊那丸さまや民部さまに、小太郎山の砦のしまつを、くわしくお告げしてくれとおっしゃいました」
三番目の少女がつげた。
「そして、みなさまの救いの手を、敵のなかで待っていますと」
竹童はもうそういう言伝などを、じッと、聞いていなかった。どこか、骨節がつよく痛むのであろう、キッと口をゆがめながら、松にすがって立ちあがった。
「あ、どこへ?」
「竹童さん、どこへ?」
「竹童さーん!」
呼べどふり向きもしなかった。
「ア、ア、あッ……」
と、不安そうに見おくる少女たちの視界をはなれて、とちゅうから、脱兎のごとく駈けてしまった。