Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
あのここな慾張り小僧
一
「おおせ、ごもっともです。では方々、呂宋兵衛をこの三重へひっ立てて、かならず妖術などで逃げ失せぬように厳重なご用意あるよう」
「はッ、しょうちいたした」
「立てッ!」
と、呂宋兵衛を引ったてた四勇士は、多宝塔三重のいただきまで追いあげて、その一室の丸柱に鎖をもって厳重にしばりつけ、二階三階の梯子まではずした上、扉の口々はそとから鉄錠をおろしてしまった。
あのここな慾張り小僧
一
水車は、夜もすがらふだんの諧音をたてて、いつか、孟宗藪の葉もれに、さえた紺色の夜があけていた。
燕作の拇指で、息の根をとめられた鞍馬の竹童は、いぜんとして、水車小屋のうら崖に、ダラリとなったまま木の根にからんであおむけざまに倒れている――
とはいえ、まだ幽明の境にあって、まったく死んでしまったわけではないので、いくぶん、温みがあるが、笹の小枝からはいうつった小さな白蛇は、かれの体温へこころよげにそって、腕から喉へ、銀の輪となって巻きついたきり、去りもやらず、害をくわえるようすもない。
おりから、法師野の空にあって、三鼓七流の陣鐘が鳴りわたるを合図に、天地にとどろくばかりな勝鬨の声があがった。