Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
勘助流火合図
一
ところもあろうに、こんな馬糧だらけな馬糧小屋のなかで、いきなりぶつかりあおうとは、両童子、どっちも夢にも思わなかッたことにちがいない。
「おおッ!」
「やッ!」
とふたりのおどろき。
ピュッと水火両性がはじきあってとんだように、はねわかれた暗中二つのかげ。
双方しばしは天井と馬糧のなかとで、息をこらし、らんらんたる眼光を睨めあっていたが、やがてこれこそ、梁の上から鞍馬の竹童、じッと彼なることを見さだめて、
「ウーム、おのれは、蛾次だなッ」
と、うめくがごとく叫んだ。
「そうよ!」
蛾次郎もすばやく水独楽をふところの奥にねじこみ、代りにあけび巻の錆刀をもってかまえをとり、柄に手をかけて屋根裏の虚空をにらみつけた。
「――下りてこいッ!」
と声いッぱい。
あいかわらず鼻息だけはすばらしい。
「オオ、ゆくぞ」
「ウム、こい、こんちくしょう」
とどなりかえしたが、ガサガサ……と腰の下の馬糧のワラがくずれるとともによろついて、もう蛾次郎の臆病風、あたまの上へいつ落ちてくるかわからない敵のかわしかたをかんがえていた。
だが、これを勝負の前兆とはみられない。
蛾次郎の争闘力は、いつも、この腕よりは口である。