Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

三

と、下城のとちゅうで腕ぐみをしてしまった。

「ウーム、あの呂宋兵衛がこの城内へ……伴天連になりすまして……蚕婆をつれて……こりゃ時節がらゆだんがならん!」

従者だけをそこから下城させて、スタスタとふたたび曲輪へ帰りだしたのは、もと裾野では鏃師の鼻かけ卜斎――いまではこの城の礎とたのまれる上部八風斎だった。

三

足羽九十九橋を脚下にして、そびえたつ北ノ庄の城は北国一の荒大名、鬼柴田勝家がいる砦である。塁濠は宏大、天主や楼閣のけっこうさ、さすがに、秀吉を成りあがりものと見くだして、大徳寺では、筑前守に足をもませたと、うそにも、いわれるほどなものはある。

「憎っくい猿面、ウーム、一あわふかしてくれねばならぬ」

と、本丸の上段、毛皮の褥に、どッかりかまえた修理亮勝家は、その年、五十三の老将である。こよいも、岐阜の侍従信孝からの飛状を読みおわって、憤怒を面にみなぎらしていた。

評定の間のあかりは、晃々と照って、席には一族の権六勝敏、おなじく勝豊、徳山則秀、不破光治、小島若狭守、毛受勝介、佐久間玄蕃允など、万夫不当の北国衆が、評定の座へズラリといならんでいる。

「この勝家が冬ごもりのまを、鬼のいぬまと思うて、猿面秀吉がすき勝手なふるまい。