Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

奇童と怪賊問答

一

ここは甲斐と信濃と駿河の堺、山の名は小太郎山」

「え、小太郎山」

「砦にこもる御方はすなわち武田伊那丸さまだ」

「えッ、ここがあの小太郎山で、伊那丸さまの立てこもる根城となるのでございますか」

ふかいわけはわからないが、竹童はそう聞いて、なんとなく胸おどり血わいて、じぶんも、甲斐源氏の旗上げにくみする一人であるように勇みたった。

奇童と怪賊問答

一

富士の裾野に、数千人の野武士をやしなっていた山大名の根来小角は亡びてしまった。しかし、野盗の巣である人穴の殿堂はいぜんとして、小角の滅亡後にも、かわっている者があった。すなわち、和田呂宋兵衛という怪人である。

あれほどしたたかな小角が、どうして亡されたかといえば、じぶんの腹心とたのんでいた呂宋兵衛にうらぎられたがため、――つまり飼い犬に手をかまれたのと同じことだ。

呂宋兵衛というのは、仲間の異名である。

かれは、和田門兵衛という、長崎からこの土地へ流れてきた南蛮の混血児であった。右の腕には十字架、左の腕には呂宋文字のいれずみをしているところから、野武士の仲間では門兵衛を呂宋兵衛とよびならわしていた。また碧瞳紅毛、金蜘蛛のようなこの魁偉な容貌にも、呂宋兵衛の名のほうがふさわしかった。