Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
三
見ると、すがたに似合わぬ名刀をさしているので、こいつ一番セシめてやろうと、蚕婆はやなぎの木の上にかくれ、わっしはそしらぬ顔で、なれなれしく話しかけたものです」
「やいやい、燕作!」
ふいに呂宋兵衛が魔のような口を開いてさえぎった。
「バカ野郎め。目っけたというのはその竹童のことをいうのか。ふざけやがッて! だれがあんな小僧をさがせといいつけたのだ」
「ま、ま、待っておくんなさい」と燕作はちぢみあがってどもりながら、
「その竹童のことは、話の順序なんで……じゃ、てッとり早く本筋をもうしあげます。そこへ通りかかった三人の旅僧、挙動があやしいので蚕婆がつけていくと、朱雀の原の……ええと……なんといッたっけ……おおそれそれ菊亭右大臣という公卿屋敷の裏門から、こッそり姿をかくしました。そのうちのひとりは、たしかに、武田勝頼にそういないから、すぐこのことを、呂宋兵衛さまにお知らせもうせという蚕婆からの言伝なんで」
「ウーム、そうか……」
と、呂宋兵衛はやっとまんぞくそうにうなずいたが、まだうたがい深い顔をして、
「どうだろう、昌仙、そいつアたしかに勝頼かしら?」
「さよう……」