Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

いつ頭領から籠城の用意をしろとおふれがでた。しかも、夜が明けしだいに、裾野へ討ってでるしたくのさいちゅうだわ」

「ならぬ! 呂宋兵衛さまから軍配を預っている、この昌仙がさようなことはゆるさぬ。七つの門は一寸たりともあけることまかりならんぞ」

「めくら軍師ッ。かしらの呂宋兵衛さまも帰らぬうち、洞門を閉めてしまってどうする気だ」

「いまにみよ、祈祷にでたものはちりぢりばらばら、呂宋兵衛さまも手傷をうけて命からがら立ちかえってくるであろうわ」

「ばかばかしい! そんなことがあってたまるものか」

と又八が大口をあいてあざわらっていると、折もおりだ。祈祷の列に加わっていった足助主水正と佐分利五郎次などが、さんばら髪に、血汐をあびて逃げかえってきた。

「やア、その姿は――?」

今もいまとて、強情をはっていた轟又八、目をみはってこうさけぶと、裾野から逃げかえってきた者どもは声をあわせて、

「一大事、一大事。まんまと敵の計略におちいって、頭領のご生死もわからぬような総くずれ――」

つづいて逃げてきた手下の口から、

「伊那丸じしんが先手となり、小幡民部が軍師となって、もうすぐここへ攻めよせてくるけはい」