Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

なんだって、人んとこの柿をだまってぬすみさらすのじゃい」

「だからあやまってるじゃないか。ああそうそう、おいらも用があってこの村へきたんだっけ。お婆さん、どこかこのへんに、物をあきなっている家はないかしらなあ」

「でまかせをこけ。この村には、ここともう一軒鍛冶屋よりほかに人はいやしない。そんなことは承知のうえで、柿泥棒にきやがったくせにして」

「ほんとだ、おいらまったく買いたい物があってきたんだ。お婆さんとこにあったらゆずってくんないか」

「なんだい」

「松明さ」

「松明?」

「アア、二十本ばかりほしいんだがなあ」

「餓鬼のくせに、松明なんかなんにするだ」

「ちょッといることがあるんだよ。お婆さんの家に持ちあわせはないかね」

「ねえッ、そんなものは!」

といった婆さんの顔を見て、竹童は「あッ」と叫んでしまった。お婆さんの口の中で光った物があったのだ。三、四本の乱杭歯の間を、でたり入ったりしているのは、たしかに四、五十本の縫針だ。

これだ!

さっき柿の木の上まで飛んできて頬っぺたを刺した針は――竹童はむッとした。

「たぬき婆。もう、松明なんかたのまない!」

「なんだと、この小僧」