Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「おいらに二十本ばかりそっとくれないか」

「やってもいいけれど、そのかわりおれになにをくれる」

と蛾次郎はずるい目を光らした。

竹童はとうわくした。お金もない。刀もない。なんにもない。持っているのは相変らずの棒切れ一本だ。そこで、

「お礼には、鷲に乗せて遊ばしてやら。ね、鷲にのって天を翔けるんだぜ。こんなおもしろいことはない」

といった。

「ほんとうかい、おい!」蛾次郎は、目の玉をグルグルさせた。

「うそなんかいうものか、松明さえ持ってきてくれれば乗せてやる。そのかわり夜でなくッちゃいけない」

「おれも夜の方がつごうがいい。そしておまえはどこに待っている?」

「白旗の宮の森で待ってら、まちがいなくくるかい」

「いくとも! じゃ今夜、松明を二十本持っていったら、きっと鷲に乗せてくれるだろうな、うそをいうと承知しないぜ、おい! おれは切れる刀を差しているんだからな」

と、またあけび巻の山刀を自慢した。

二

木隠龍太郎のために、河原へ投げつけられた燕作は、気をうしなってたおれていたが、ふとだれかに介抱されて正気づくと、鳥刺し姿の男が、

「どうだ、気がついたか」

とそばの岩に腰かけている。