Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「いたい、いたい。苦しい」

竹童も、呂宋兵衛の手下にしては、どうもすこし、手強いやつに捕まったとうめきをあげた。

「痛いのはあたりまえだ、うごけばうごくほど、急所がしまる」

「殺してくれ、もう死んでもいいんだ」

「いや、殺さない」

「首を斬れ」

「首も斬らぬ。いったいきさまは、どこの何者だ」

「聞くまでもないではないか、おいらはいつか、果心居士さまのお使いとなって、この城へきたことのある鞍馬山の竹童だ。首の斬り方をしらないなら、さッさと、呂宋兵衛の前へひいていけ」

「ウーム、鞍馬山の竹童というか」

可児才蔵も、心中舌をまいておどろいた。

安土の城には、じぶんの主人福島市松をはじめ、幼名虎之助の加藤清正、そのほか豪勇な少年のあったことも聞いているが、まだこの竹童のごとく、軽捷で、しかも大胆な口をきく小僧というものを見たことがない。

四

竹童はまた竹童で、才蔵に組みふせられていながら、肚のなかで、ふとこんなことを思った。

「こいつはおもしろい、いましかけてきたあの綱火が、松明の火からだんだん燃えうつって、もうじきドーンとくるじぶんだ。そうすれば煙硝庫も人穴城の野武士も、この望楼もおいらもこいつも、いっぺんにけし飛んでしまうんだ」