Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

二

そのふたり。

手をつなぐように、階段の上へ大手をひろげて、

「待て! 酔いどれッ」

「ここを通すことはまかりならぬ!」

どッちの声も、威力がある。

「な、なんだとッ」

頭をおさえられた狼は、ふんぜんと、牙をむいて食ってかかった。

「見うけるところ、二匹とも、乞食にちかい六部と雲水。下手なところへでしゃばると、足腰たたぬ片端者にしてくれるぞ」

「酔いを醒ませ、この白痴者! ここをいずこと心得ておるのだ」

「オオ、ここは紫野の今宮神社、八神殿と心得ておる。それが一たいどうしたのだ」

「ははは。生酔い本性にたがわずだ。このバカ侍どもよく聞けよ。それ、日の本の武士たるものは、弱きをあわれみ、力なき者を愛し、神仏をうやまい、心やさしくみだりに猛きをあらわさず、知をもって、誠の胸とするのが、真の武士というもの――」

色白な若僧が、右手の禅杖を床へついてから、諭したが、そんなことに、耳をかすかれらではない。

「エエ、口がしこいことを申すな。われわれをただの浪人者と思いおるか。おそれ多くも、羽柴どのよりお声がかりで、天ヶ丘一帯の取りしまりをなす、南蛮寺の番士だぞ」

「だまれッ、番士であろうと秀吉じしんであろうと、民をしいたげ、神をけがするなど、天、人ともにゆるさぬところじゃ」