Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
が、さてと口に唾をわかせてみると、いけないことには、厳重な柵をめぐらしてあって、いくら長い手をのばしてみても、とても、そこまではとどかない。
「ウーム、いまいましいなア」
宝の山に入りながら、この蕎麦まんじゅうに手がとどかないとは、なんたる無念しごくだろうというふうに、胃液をわかせながら蛾次郎の目がすわってしまった。だが、こういう事業にたいしては、人一倍の熱をもつ蛾次郎である。たちまち一策をあんじだして、蕎麦まんじゅうの曲取りをやりはじめた。
そこらで見つけてきた一本の細竹、先をそいでとがらせ、柵のそとから手をのばして、三方の上のまんじゅうを上から一箇ずつ突いては取り、突いては食べ、口の中へ五つばかり、ふところの中へ八つばかり、まんまと、せしめてしまったのである。
「エヘン。どんなものだい、蛾次郎さまのお手なみは」
これで兵糧もでき、目もさめた。
「さア、これからきょうはどうしよう、どうしておもしろくあそぼうか」
富士の裾野をでていらい、鷲に乗って北国も見たし、東海道も見物したし、奈良の堂塔、大和の平野、京都の今宮祭まで見たから、こんどはひとつ思いきって、四国へ飛ぼうか、九州へいこうか?