Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
「手をはなせば、人を落とすまえに、じぶんのからだがお陀仏だぞ。ざま見やがれ、唐変木、突きとばせるものならやッて見ろ」
「おのれきっとか」
「くそうッ!」
と、ののしり合った空のけんか。
両手をはなして組みあえば、蛾次郎のいう通り、鷲の上からふりすてられてしまうので、片手と片手のつかみ合い。
蛾次郎は猫のごとく爪をたって、竹童の頬ッぺたをひっかいたが、指にかみつかれたので、びっくりして手を引っこめ、こんどはいきなり対手の髪の毛を引っつかんだ。
「うむ! こんちくしょうッ」
竹童は拳骨をかためて、かれの脇のしたから顎をねらった。そして、二つばかり顔を突いたが、蛾次郎も命がけだ。くちびるを噛みしめて、なおも必死にこらえている。
「ちぇッ――強情なやつだ、降参しろ、降参しろ! まいったといわないうちは、こうしてくれる!」
竹童の鉄拳が、目といわず鼻といわず、ポンポン突いてくるので、さすがの蛾次郎も、だんだん色をうしなって顔色まっ青にかわってきた。これがいつもならば泣き虫の蛾次郎、本領を発揮してワアワア泣き声をあげているはずだが、かれも生死の境にたった以上、ふだんよりは相当につよい。