Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

かれの足もとをさッと薙ぎつける。

「うむ」

と卜斎一流の妖気みなぎる含み気合いが、それをはねこえて壁ぎわへ身を貼りつけると、

「オオ、なんじは鞍馬の竹童だな」

らんらんとして眸を射て、こなたのかげをすかしたものだ。ハッと思って、竹童は自分の顔に気がついた。

卜斎の鉄拳をくったせつなに、仮面は二つに割られてしまった。そして二つに割られた仮面が、畳の上に片目をあけて嘲笑っている。

「なんでおいらの寝ているところをぶンなぐった。裾野にいた鏃鍛冶、顔は知っているが、怨みをうけるおぼえはない」

「ではなにか、今この方が宮内と話をしていたのを、ぬすみ聞きしていたのは、きさまではなかったか」

「それは向こうに寝ていた泣き虫の蛾次郎だろう」

「や? ――蛾次郎もここにおったか。ちッ、ちくしょうめ」

と、そのほうへ走りだそうとしたが、卜斎、なにをフト思いなおしたかにわかに大刀の柄をつかんでジリジリと竹童のほうへよってきながら、

「いやいや、たとえ怨みがあろうとなかろうと、ここへおれが潜伏しているということを知られた以上は、もうきさまも助けておけない」

「なにッ」竹童も身がまえを直した。