Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「あ、おじさん。もしもし」

竹童は、あわててそれを呼びかえしたが、べつに、どういう口実もないので、とっさの機智を口からでまかせに、

「腰の手拭が落ちますよ」といった。

「ありがとう」

と、さきの男が、うっかり釣りこまれている間に、かれは、すかさず、矢つぎ早にさぐりをいれた。

「あの、いまおじさんがいった刑場で、いったいだれがいつ斬られることになるんです」

「よくいろんなことをききたがるな。子供のおまえにそんなことを話してもしかたがねえが、男は一どは見ておくものだそうだから、あさっての夕方、都田川の竹矢来のそとへ見にきねえ。この高札に書いてある通り、こんど徳川さまの手でつかまった、武田伊那丸とその他二人の者がバッサリとやられるのだから」

もう、うるさいと思ったか、こんどはそっけなくいいはなした。肩の高札を持ちかえると、ふり向きもせずにタッタとさきの人数を追いかけていった。

五

ゆき別れた足軽のすがたが半町ばかり遠ざかると、生ける色もなく、そこに取りのこされた竹童は、

「ウウム……」

髪の毛をつかんだまま、よろよろと、草のなかへ腰をついて、

「た、たいへんだ」

身をゆすぶッて、もだえだした。