Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

ア! 非人がきたぞ非人が、三ツの死骸をかたづけるんだな。やあいけねえ、伊那丸の首を河原の方へ持っていってしまやがった。ホウ、あんなところの台へ首をのせてどうするんだろう、龍太郎の首も、忍剣の首も――アア、獄門というのはあれかしら? 親方親方、あれですか、獄門にかけるッていうことは?」

指差しをして卜斎の顔を見あげたが、その卜斎は、蛾次郎とは、まるで見当ちがいなほうに目をすえているのであった。

さっきから、なにを見ているんだい親方は?

と――蛾次郎も卜斎の視線にならってその方角へ目をやってみると、竹矢来の一角、そこはいまあらかたの弥次馬が獄門台と掲示の高札を見になだれさったあとで、ほのあかるい夕闇に、点々と、かぞえるほどの人しか残っていなかった。

卜斎は最前から、そこばかりをじっとにらんでいた。横目づかいの白眼で――

蛾次郎の注意もはじめて同じ焦点へ向いた。

とたんに、

かれ蛾次郎の目の玉が、デングリかえるようにグルグルとうごいた。そしてその睫毛がせわしなくパチパチと目ばたきをし、眉に八の字をこしらえた。なにか叫ぼうとした唇が上下にゆがんだが、いう言葉さえ知らぬように、鼻の穴をひろげたまま、アングリと口をあいて茫然自失のていたらく……。