Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

咲耶子は不安にたえぬように眉をひそめた。

夕餉どきに帰りを忘れてあそんでいる弟を、父や母が怒らぬうちにとハラハラしてさがす姉のような愛が、彼女の眼にこもっていた。

「竹童さアーん……」

そうして、自分の身の危険を、一歩一歩とわすれていった。

「もしかすると?」

露にぬれる草履のグッショリと重くなったのも感じないで、例の樺の林のほうへかけだして見た。林のあさいところの木は、一本一本薄い夕陽の紅になすられているが、奥のほうはもう宵のような闇がただよっている。

そこでもまた呼んで見た。

五たび六たびも、あかずにかれの名をよんだ。

だが林の奥から、さびしい木魂がかえってくるだけで、オーイと、あの快活な竹童の返辞はしてこない。

「おや?」

咲耶子は妙な音にきき耳を立てて、林のやみへ眸をこらした。なにか非常に大きな力が樹木をゆすったように思える。

われをわすれ、樺の密林へ馳けこんだ。見ると、なかでも大きな一本の樺の木に、あの竹童の飼っている荒鷲がつながれてあった。その飼主の名を呼んだので、羽ばたきをしたのであろうと、愛しく思えたが、

「おまえをかわいがっている竹童さんはどこへいったか?」