Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

クロとともにかげを見えなくしたところからさっすれば、竹童の鷲乗りをうつしまねて、空へと、舞って逃げたよりほかに考えようがないが、あの絵に見まほしき振袖すがたで、そんなあぶないはなれわざが、果たして首尾よくいったろうか。

いや、心配はあるまい。

かの女も裾野の女性である。山大名の娘である。竹童のすること、蛾次郎でさえやること、余一すら乗りこなしてきた鷲――なんで乗れないことがあるものか。

そうあれば。

とにかく咲耶子の身には、ふたたび、うばわれた自由と希望がかえっているわけ。

カアーン……カアーン……カアーン

きょうも甲府の町にのどかな鉦の音。

菊村宮内はおなじ日に、卜斎と別れを告げ、花や供物にかざられた笈摺と、かがやく秋の陽を背にして、きのうのごとく、地蔵菩薩の愛の旅にたっていった。

二

翌日は駒飼から笹子峠を越える。

甲府を一とおり遍歴した宮内は、これから道を東にとって、武蔵の国へはいるつもり。

これから武蔵へかかる山境は、姥子、鳴滝、大菩薩、小仏、御岳、四顧、山また山を見るばかりの道である。すきな子供のむれに取りまかれることがいたってまれだ。