Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
そして、あらためて素性を名のり、永年よき主をさがしていたおりであるゆえ、ぜひとも、力をあわせて伊那丸さまを取りかえし、ともども天下につくしたいと、真心こめて龍太郎にたのんだ。
龍太郎も、よい味方を得たとよろこんだ。しかし、さてこれから八幡船の根城をさがそうとなると、それはほとんど雲にかくれた時鳥をもとめるようなものだった。――むろん小文治にも、いい智恵は浮かばなかった。
「こうなってはしかたがない」
龍太郎はやがてこまぬいていた腕から顔をあげた。
「お叱りをうけるかもしれぬが、一たび先生のところへ立ち帰って、この後の方針をきめるとしよう。それよりほかに思案はない」
「して、その先生とおっしゃるおかたは」
「京の西、鞍馬の奥にすんではいるが、ある時は、都にもいで、またある時は北国の山、南海のはてにまで姿を見せるという、稀代なご老体で、拙者の刀術、隠形の法なども、みなその老人からさずけられたものです」
鞍馬ときくさえ、すぐ、天狗というような怪奇が聯想されるところへ、この話をきいた小文治は、もっと深くその老人が知りたくなった。
「龍太郎どのの先生とおっしゃる――そのおかたの名はなんともうされますか」