Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
――まあまあ、そう気が短こうては、自身のからだをやつれさすばかり、それでは永い年月に、わが子をさがそうという巡礼の旅がつづきません。ただひたすら、めぐりあう日は神仏のお胸にまかせて、坂東三十三ヵ所のみ霊に祈りをおかけなさい。……わたしも幸い、地蔵愛の遍歴者、およばぬながらも同行になって、ともどもさがして進ぜましょうから」
と、宮内はお時をなぐさめた。
そしてふたりは、月ノ宮の御籠堂に笈をおろしたが、古莚につめたい夢のむすばれぬまま、啼くこおろぎとともに夜もすがら詠歌をささげて、秋の長夜を明かしていた。
三
塩市と馬市と盆の草市が一しょくたにやってきたように、夜になると、御岳ふもとの宿は提灯の鈴なり、なにがなにやら、くろい人の雑沓とまッ赤な灯であった。
諸国諸道からここに雲集した人々は、あすの日を待ちかまえて、空を気にしたり、足ごしらえの用意をしたり、またはその日の予想や往年の思い出ばなしなどで、どこの宿屋もすしづめのさわぎ。
「よウ、京都の葵祭にも人出はあるが、この甲斐の山奥へ、こんなに人間が集まってくるたあ豪勢なもンだなあ……」
と、その町なかの一軒の旗亭の二階で、窓から首をだして、のんきに下をながめている男が感心していた。