Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
四
「鶴翼!」
と、朱房の鞭をふったのは、それを指揮する徳川万千代であった。
三段の隊伍は、中央からまッ二ツに割れて、たちまち鶴翼の陣形をつくる。
「奉行、これでよいか」
と万千代は、とくいらしく床几の席へむかっていう。
石見守は、一顆のあかい鞠をだして万千代の手にわたした。すると検証の鐘巻一火も、おなじように一つの白い鞠を星川余一の手にあずける。
そこでふたたび、鞭をあげると、とんぼ組の隊伍は、そのまましずかに進んで、ころあいなところで、鳥雲の陣にくずれ、また魚鱗の形にむすび、しきりと厳重な陣立を編もうとくふうしているようすであったが、やがて八門の陣をシックリと編んで、あたかも将軍の寝間をまもる衛兵のように、三十六人が屹然とわかれて立った。
その、陣形の中宮に、白球をもった星川余一と、紅球を持った万千代とが、ゆだんのない顔をして立つと、菊池半助はその紅球をとって、もとの場所へかえることを、また木隠龍太郎は一方の白球を取ることを、試合目付から命じられた。
これは伊賀流の忍びをほこる半助にも、木隠にも、おそろしい難事だろうと思われる。およそ忍術というものも夜陰なればこそ鼠行の法もおこなわれ、木あればこそ木遁、火あればこそ火遁の術もやれようが、この白昼、この試合場のなかで、しかも三十六人のとんぼ組の小姓たちが八門