Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
「は、承知いたしました。して、この図面にあります場所は?」
という龍太郎の問いに応じてこんどは、小幡民部が膝をすすめた。
「武田家に縁のふかき、甲、信、駿の三ヵ国にまたがっている小太郎山です。また……」
と、軍扇の要をもって、民部は掌を指すように、ここは何山、ここは何の陣法と、こまかに、噛みくだいて説明した。
肝胆あい照らした、龍太郎、小文治、民部の三人は、夜のふけるをわすれて、旗上げの密議をこらした。果心居士は、それ以上は一言も口をさし入れない。かれの任務は、ただここまでの、気運だけを作るにあるもののようであった。
翌日は早天に、みな打ちそろって僧正谷を出立した。龍太郎と小文治は、例のすがたのまま、旗あげの小太郎山へ。
また、小幡民部ひとりは、深編笠をいただき、片手に鉄扇、野袴といういでたちで、京都から大阪もよりへと伊那丸のゆくえをたずねもとめていく。
その方角は、果心居士の亀卜がしめしたところであるが、この占いがあたるか否か。またあるいは音にひびいた軍学者小幡が、はたしてどんな奇策を胸に秘めているか、それは余人がうかがうことも、はかり知ることもできない。