Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「いや、はなさん。おれははなさん」

「なんで、おれのすることをさまたげるのだ」

「きさまは、その引っかかえている禅杖で、きょうの鬱憤を晴らそうという気だろう」

「知れたことだ。この晴れがましい、大講会の広前で、かたく、約をむすんだ試合ながら、さまざまに難癖をつけたあげく、その裏をかいて、咲耶子のすがたを隠してしまうという言語道断な行いを、だまってこのまま見て引っこめるか。――龍太郎! おぬしは退くなら、退くがいい、おれは徳川家の蛆虫めらを、ただ一匹でも、この御岳から下へおろすことはできない」

かれの額には、炎のような青筋がうねっていた。かつて、忍剣の形相が、こうまですごくさえたことを、龍太郎も見たことがないくらい。

「こらえろ! こらえてくれ、忍剣! この山の掟を知らぬか、兵法大講会三日の間は、たとえどんなことがあっても血を見るなかれという、きびしい山の禁断を知らぬかッ」

「ええ、もうその堪忍はしつくした。これ以上のこらえはできない」

「だからきさまの短慮を、伊那丸さまも民部どのも、へいぜいから心配するのだ。もしものことをしでかしてみろ、きさまばかりではない。