Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「くるかッ」

と、短銃の筒さきを竹童にむけた。

「なにを」

竹童の目にはなにもののおそれもなかった。

蛾次郎はあわてた。かれの狡獪なそら脅しは効果がなかった。火縄はいまの格闘でふみけされてしまったので、筒口をむけてもにわかの役には立たないのである。

で、蛾次郎の立場は悪くなった。

彼はひどくろうばいして、いきなり短銃を相手の顔へ投げつけ、ばらばらと逃げだした。

それを肩のそとにこさして、一躍すると、竹童の手には、優越をしめす般若丸のひらめきが持たれている。

彼は、逃げだした相手をおいかけて、

「ひきょうだぞ。――ひきょうだぞ、蛾次郎」

と、叫んでとぶ。

さんざん逃げまわった蛾次郎は、ついに、とんでもない危地に自分からかけこんでしまった。そこは、嵐弦の滝の崖ッぷちで、あきらかなゆきどまりである。

彼は、目がくらんでしまった。

ただそこに大きな楢の木があって、断崖の空間にのぞんで屈曲していた。バリバリというと蛾次郎は、幹をはってその横枝へうつっていた。

しかし、そこもホッとする安全地帯にはならない。すぐ血眼になった竹童が、おなじ幹をよじのぼって、般若丸の刀で楢の小枝をはらいながら、ジリジリとせまってきた。