Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
どうしたらいいのでしょう。できないことです。できないことを、やらなければならないのです。
小林君は、部屋のすみにある、例の木のベッドに腰かけて、腕ぐみをして一心に考えました。
「さあ、知恵をしぼりだすんだ。きみは、人に知られた少年名探偵じゃないか、いまこそ、その名探偵の知恵をしぼる時だ。」
小林君は自分自身に、そう言い聞かせました。むかし、悪人のすみかにふみこんだときに、カバンの中に伝書バトをしのばせておいて、とじこめられた部屋の窓から、そのハトをはなして、れんらくをとったことがありますが、こんどは、そういう用意を、何もしていなかったのです。
「うん、そうだ。とにかく、ようすを見てみよう。」
小林君は、なにを考えたのか、そんなひとりごとを言うと、立ちあがって、いきなり、木のベッドに両手をかけ、例の鉄棒のはまった、高い窓の下へ、それをひきずって行きました。
そして、ベッドの一方のはじを、かべぎわにおしつけ、べつのはじを、だんだん持ちあげていって、とうとう、ベッドをそこに立ててしまいました。つまり、ベッドがはしごのように、かべに立てかけられたわけです。
小林君は、そのベッドのはしごを、よじのぼって、頂上までたどりつきました。