Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
三人の明智小五郎
部屋じゅうの人が、「アッ。」と声をあげて、そう立ちになりました。そのとき、小林少年といっしょに、部屋へはいってきたのが、あまりに意外な人だったからです。それは名探偵明智小五郎でした。明智がふたりになったのです。けさから、しらべ室に腰かけている明智と、いまはいってきた明智と、顔も服も、まったく同じなのです。ふたごのように、そっくりなのです。
「ワハハハ……、どうです、諸君ビックリしたかね。中村君、このふたりの明智小五郎をしばってください。なわをかけてください。どっちかが、にせもののはずだ。しかし、どっちがそうか、まだよくわからない。ふたりともしばってください。にげられては、たいへんだからね。」
怪老人は手じょうをはめられたまま、イスから立ちあがって、わめきました。中村係長を、中村君などと、呼びすてにして、いばっているのです。まるで、この部屋の中で、怪老人がいちばんえらい人のように見えました。
もっとふしぎなのは、中村係長のたいどでした。怪老人をしかりつけるどころか、老人の言うままに、ベルをおして、部下の刑事を呼びよせ、にらみあっているふたりの明智小五郎を、ほじょうで、しばらせてしまいました。