Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme

Aozora Bunko

透明少年

そして、アッというまに、こわきにかかえて、手術台のそばに行き、その上にねかせてしまいました。もう、いくらジタバタしてもだめです。怪老人の鉄のような腕にしめつけられて、身うごきさえできないのです。大友君は、とうとうかんねんの目をとじました。

左の腕が、まくりあげられたのを知っていました。しかし、もう目をひらきません。もがいてみたって、どうにもならないのです。やがて、腕にチクリと、虫のさすようないたみを感じました。注射針がささったのです。

「さあ、これでいい。きみはすぐ、ねむくなるよ。」

大友君はもう何も考えないで、じっとしていました。しばらくすると、からだじゅうが、だるくなってきました。なんだかいい気持ちです。ウツラウツラとねむくなってきました。どこからか、なつかしい子守うたが、きこえるような気がしました。そして、いつともなく、ふかいねむりにおちてゆくのでした。

透明少年

それから、どれほどの時間がたったのか、わかりませんが、大友君は夢からさめたように、しぜんに目をひらきました。やっぱり、手足が何かにしめつけられていて、すこしも身うごきができません。

しかし、それは怪老人の腕ではなくて、グルグルまきのほそびきでした。