Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
透明怪人第五号
かわいそうに、もう手も足も出ないねえ。エヘヘヘヘヘ……。」
運転席のろう仮面が、またしても、いやな笑い声をたてました。しかし、笑っているのは声だけで、ろうでできた顔は、キョトンとした表情で、すこしも笑わないのです。それが、いっそうぶきみな感じでした。
うしろのやつは、明智のせなかに、ピストルの先をおしつけたまま、じっとしていましたが、運転手に化けたやつは、やがて、運転席とのさかいを、またぎこえて、こちらへはいってきました。そして、青白いろう仮面が、明智の目の前に、グーッと近づいてきたのです。
「ちっとばかり、きゅうくつなめにあわせるよ。なあに、すこしのあいだの、しんぼうだ。」
そう言ったかと思うと、明智探偵の目の前が、まっくらになってしまいました。黒布で目かくしをされたのです。それから、ほそびきのようなものが、からだにグルグルまきつけられるのを感じました。そして、そのほそびきが、だんだんつよくしまってきて、手も足も、まったく動かせないようになりました。ああ、名探偵明智小五郎は、ついに、敵のとりことなってしまったのです。
透明怪人第五号
目かくしをされてしまったので、それからあとのことは、ただ、からだで感じるだけでしたが、自動車は、ふたたび動きだし、二十分も走って、どこともしれず、とまりました。