Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme

Aozora Bunko

怪老人

この穴の中には、透明怪人がいるだけだと思っていたのに、ほかにもまだ、だれかが住んでいたのでしょうか。

大友君は、そう考えると、おそろしさに、からだがすくんで、うしろをふりむくこともできません。うしろのやみの中には、何者がいるのでしょう。人間か、それとも動物か、息づかいの音がきこえるのですから、生きものには、ちがいありません。

大友君はソーッと、うしろに手をのばして、さぐってみました。すると、何か、やわらかいものが、さわるのです。オーバーのようなものです。

「それじゃ、やっぱり、ぼくのうしろに、人間が立っているんだな。」

大友君はあまりのこわさに、息もとまるほどでしたが、もう、ぜったいぜつめいです。ふりむくほかはありません。ふりむいて、そこに立っている人間の、顔を見るほかはありません。

大友君は、やにわに、クルッと、うしろむきになって、そこのやみの中に立っている、大きな男を見あげました。

怪老人

くらやみと言っても、ドアのすきまからローソクの光がもれているので、物のかたちが見わけられないほどではありません。目をこらすと、そこにヌーッと立っていたのは、ひとりの老人でした。