Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
オヤッと思って、窓の外を見ますと、まっくらな庭に、白いものが動いています。やみの中に、そのものの影がクッキリと白く浮きだしているので、すぐにウサギだということがわかりました。昼間ぬすまれたウサギの一ぴきにちがいありません。
それにしても、すばしっこいウサギが、どうしてあんなにノロノロ歩いているのでしょう。ああ、わかった。あと足がきかなくなっているのです。大けがをして、かんじんのあと足がだめになったので、みじかい前足だけで、からだをひきずるようにして、歩いているのです。
「かわいそうに、早く助けてやらなくちゃあ。」
勇一君は大いそぎで、座敷のほうのえんがわから、庭へおりて行きました。
星のないまっ暗な夜です。光といっては、勇一君の勉強部屋の窓から、電気スタンドのうすい光線がもれているばかりで、庭は手さぐりをしなければ、歩けないほどです。ただウサギの白いからだだけが、ハッキリ見えています。
勇一君のおうちの庭は、なかなか広くて大きな木が林のようにしげっていました。白ウサギはビッコをひきながら、その林の暗やみのほうへすすんで行くのです。
「オイ、ルビーちゃん、そのほうへ行っちゃだめじゃないか。