Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
すると、おそろしい虎の顔も、三人の少年の姿も、もやにへだてられたように、消えていきました。
ハッと気がついたときには、前にあるのは、ふつうの鏡で、そこに小林君自身の青ざめた顔が、うつっているばかりです。
なんだかおそろしい夢でも見たような気持ちでした。小林君は魔法博士の催眠術にかかって、ありもしないものを見たのでしょうか、いやそうではありません。三人の少年は、たしかに鏡の向こうがわにいたのです。そして、そこへ一ぴきの猛虎がはいって来たのです。
ああ、少年たちは、いったいどうなったのでしょうか。いまごろは猛虎のために、むごたらしいめにあっているのではないでしょうか。
小林君は、もう、ジッとしていられなくなりました。ガラスをやぶって、向こうの部屋へ飛びこんで行こうか。しかし、なんの武器も持たないで、猛虎とたたかう決心はつきません。では、ドアをやぶって、廊下に出て、助けをもとめるか。しかし、この建物の中には味方はひとりもいないのです。
とつおいつ、しあんにくれていますと、またしても、どこからか、コツ、コツという物音が、聞こえてきました。
小林君は、キョロキョロと、部屋の中を見まわしていましたが、やがて、反対がわの鏡のほうへ、かけよりました。