Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
こっちへおいで、こっちへおいで。」
まっかな目が、ことに美しいので、ルビーちゃんという名がついていました。からだのかっこうが、どうもそのルビーちゃんのほうらしいので、勇一君はそう呼びながら、白いもののあとを追いました。
ウサギは、もう、木のしげみの中へ、はいりかけていましたが、ノロノロ歩いているので、追いつくのはわけはありません。勇一君はすぐにウサギのそばに近づき、両手を出して地面から、だきあげようとしました。
ところが、その時です。勇一君の手が、まだウサギにさわらないのに、ウサギはなにかほかのものに持ちあげられでもしたように、いきなりスーッと空中に浮きあがったではありませんか。
勇一君はあまりのふしぎさに声も出ません。まだこわいという気もおこりません。ただアッケにとられて、宙にただよう白いものを、見つめているばかりでした。
ウサギは勇一君の胸のへんの高さまで浮きあがって、しばらく、前足をモガモガやっていましたが、やがて、じつにおそろしいことがおこりました。
とつぜん、ウサギの頭が見えなくなってしまったのです。からだだけが宙にのこって、首から上が、長い耳といっしょにもぎとられたように、なくなってしまったのです。