Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
ぼくにまかせてください。」
警部補は、明智が名探偵であることを、よく知っていました。警視庁の捜査課長でさえも、明智の知恵を借りることがあるのを、知っていました。それで、この人の言うことならば、まちがいはないだろうと、部下の警官に、猟銃を借りだしてくることを命じました。
明智はそのまま、だまって、また塔の屋根を見つめています。警部補も、明智の気質を知っているのでなにもたずねません。うす雲が、月の表をかすめるたびに、塔上の怪人も、地上の人々の顔も、暗くなったり、明かるくなったりして、やがて、二十分あまりもたちました。そこへ、さっきの警官がりっぱな猟銃を持って、息せききって、もどってきました。明智はそれを受けると、たまをこめ、銃を肩にあて、塔の屋根に向かって、ねらいさだめました。
「明智さん待ってください。犯人を殺してはこまります。わたしの責任です。」
警部補があわてて、銃の筒口をにぎりました。
「いや、けっして殺しません。傷つけもしません。まあ、見ていらっしゃい。」
明智はつよく言いはなって、もう一度ねらいをさだめると、猟銃の引きがねを引きました。ガンと空気がゆれて、うすい煙がたって、そうして、塔の上の怪人がフラフラとよろめくように見えました。