Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
それをしないやつは、いくらそっくりの姿をしていても、明智先生ではないのです。この男は、小林君の通信をたしかに聞いたのに、なにも返事をしません。これで、二十面相にちがいないことが、ハッキリわかりました。
「金はいくらでもだす。飛ばしてくれ。うんと飛ばしてくれ。」
男はあせっています。小林君が運転助手に化けて、すぐ目の前にいることなど、すこしも気づいていないのです。
車は広い京浜国道に出て、おそろしい速度で走っています。東のほうの空が、ポーッと明かるくなってきました。もう朝なのです。両側の工場や人家が、あとへあとへと、飛びさって行きます。国道には車も人も、じゃまになるものは、何もありません。
怪人をのせた自動車は、無人の境を、黒い風のように飛んで行くのです。
ふと気がつくと、うしろから強い光がさしていました。べつの自動車のヘッド・ライトです。小林君は窓から首をだして、うしろを見ました。客席の怪人も、うしろの窓をのぞいています。五十メートルほどあとに、二つのヘッド・ライトが、怪物の目のように、ランランと光っていました。その光がまぶしくて、車内の人などはすこしも見えません。