Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
もしお面だとすれば、頭からスッポリかぶるような、とくべつのお面なのでしょう。
紳士の顔は、洋服屋のショーウィンドーにある、西洋人の人形とそっくりでした。あの人形はろうでできたのではありませんが、この紳士の顔はろうのようにスベスベして、すきとおるように白いのです。ろう人形です。ろう人形が町をノコノコあるいてきて、ショーウィンドーの前に立っているのです。
ほんのりと赤みのさした、まっ白な顔、高い鼻、かっこうのいい口ひげ、美しい西洋人の男の顔です。しかし、生きた顔ではありません。まゆも、目も口も、いくら見ていても、すこしも動かないのです。ろう人形のように動かないのです。そのうえ、この紳士には、目の玉というものがありません。二つの目は空洞のように、まっ黒に見えているだけです。
紳士は小さな仏像を、くいいるように、見つめていて、ショーウィンドーの横手のほうにふたりの少年がいることを、まるで気づかないようです。
島田君も木下君も、このぶきみな紳士のそばから、はやく逃げだしたいと思いました。しかし、からだがすくんだようになって、身うごきもできないのです。もし、少しでも動いたら、ろう人形がいきなり、こちらへ飛びついてくるのではないかと、それがおそろしかったのです。