Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
ぼくは「へんだな。」と思って、立ちどまったまま、見ていると、女の人のうしろで、ひとりの若い男が、またヨロヨロとした。そして、「やい、気をつけろ。」とどなったが、だれもぶっつかった人間がいないので、ふしぎそうに、あたりを見まわしている。
「まあ、きみがわるい。あれ、なんだったのでしょう。」
女の人はふたりとも、まっさおな顔になっていた。
「たしかに人間がぶっつかった。だが、なんにも見えなかった。へんだなあ。」
若い男も立ちどまって、キョロキョロしている。
そのとき、目に見えないやつにつきあたられた人は、ほかにも、たくさんあった。みんなが立ちどまって、「ふしぎだ。」「ふしぎだ。」と言いあった。どうして、そんなへんなことがおこったのか、だれにもわからなかった。しばらく、ガヤガヤ言いあったあとで、そのままわかれてしまった。
ぼくはふと、「透明人間」という小説のことを思いだした。イギリスのウェルズという人が書いた有名な小説だよ。ある学者が人間のからだのすきとおる薬を発明した。それをのむと、からだが、まったく見えなくなってしまうのだよ。今、ぼくたちにぶっつかったのは、その「透明人間」