Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
そして、げんじゅうな身がまえをして、パッとドアをひらきました。
すると、そのとき、部屋の中には、じつにおそろしいことがおこっていたのです。
倉庫といっても、品物がぜんぶ持ちだされたあとで、まるで、あき部屋のように、ガランとしていました。すみのほうに、大きな木の荷箱が二つ三つころがっているばかりで、ほかには何もありません。ネズミ色のコンクリートのかべ。ネズミ色のコンクリートのゆか。光は高い小さい鉄ごうしの窓から、さしこむだけですから、広いからっぽの部屋は、夕方のように、うすぐらいのです。
さいしょ、刑事の目にうつったものは、宙を飛ぶ人間の首でした。人間の首だけが、投げつけられたように、ヒューッとゆかにおちて、ユラユラとゆれていたのです。
ふいをうたれた刑事は、ギョッとしましたが、よく見ると、それはろう人形の首でした。そのそばには、燕尾服やシャツやズボンやクツなどが、メチャクチャに投げすててあります。そして、怪物のすがたはどこにも見えません。身につけているものを、いっさいぬいでしまって、透明になっていたからです。いちばんあとで、かぶっていたろう仮面をとって、今、投げすてたところなのです。