Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
読者諸君は、そんなバカなことがあるものかと思うでしょう。そのとおりです。魔法博士の洋館が、いくら広いといっても、何百人という少年がはいれる部屋なんか、あるはずがありません。では、戸をひらいて出たのは、建物の外だったのでしょうか。これは洋館の外の広っぱなのでしょうか。
広っぱならば、空が見えるはずです。小林少年と勇一君とは、そう思って頭の上を見ました。すると、あまりのふしぎさに、ふたりは目がクラクラッとして、たおれそうになりました。そこには青空がなかったばかりか、やっぱり何百人という少年が、さかさまになって、あるいは横だおしになって、天からふって来るように見えたのです。
いや、それだけではありません。ビックリして、見あげていた顔をふせて、足もとを見ますと、ハッとしたことには、足の下のゆか板がなくなっていました。そして、下のほうにも、何百人という少年がウジャウジャしているのです。ああ、いったい、これはどうしたというのでしょう。何百何千という少年のむれにかこまれて、宙にただよっているとしか考えられないのです。
こんなふうに書くと長いようですが、小林君と勇一少年が、このふしぎな群衆を見て、おどろいていたのは、ほんの二十秒ぐらいのあいだです。