Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
それが、あちこちと、あるきだしたのです。
青年は、またしても、ギャッとさけびそうになりました。しかし、もし声をたてたら、どんなおそろしいめにあうかもしれないと思ったので、やっとのことで、声をおさえました。
あぶらあせをながしながら、なおも見ていますと、こんどは、白いシャツが、ヒラヒラと宙にまいあがり、モゴモゴ動いているうちに、まるで、人間がシャツを着たような、かたちになりました。それから、つぎには、白いワイシャツがヒラヒラとして、また、人間が着たかたちになりました。つまり、目に見えない人間が、ズボンをはき、シャツを着、ワイシャツを着たという、感じなのです。
ルンペン青年は、キツネにでも、化かされているのではないか、それとも、おそろしい夢でも見ているのではないかと、思いました。そうでなければ、こんなへんてこなことが、おこるはずがないからです。
目に見えないやつは、それから、上着をき、クツをはき、手ぶくろをはめました。すっかり洋服紳士になりすましたのです。しかし、たったひとつ、ないものがあります。首がないのです。
「みなさん、肩から上に何もない人間、首のない人間を見たことがありますか。